河内守家蔵 名言記録集

其の一
「私は寝てないんだよ〜」(某社ジャム製品に関する記者会見にて)

其の二
真琴「じゃあ、私はどこに住めばいいのよお!」
祐一「帰ればいいんだよ! 家に!」(某宗教団体の記者会見にて)

其の三
祐一「・・・・・・」(-`'-)
名雪「いつも眉間にしわ寄せてるんだね・・・」
香里「うんうん」
余計なお世話だった。(某FNS系ドラマより)

其の四
「僕も楓ちゃんも琴音ちゃんも来栖川先輩も名雪も真琴も猫を慈しまない人を猫好きとは認めない!」
「こんなことに力使うなよ・・・」(某FNS系ドラマより)

其の五
好恵「インテリには他の人にはない知識と探求心があるわ。」
綾香「インテリは有害ね。国に忠誠がないわ。忠実なのは労働者階級よ。」
(某ファシズム国家総統発言より)

其の六(お正月スペシャル版)
祐一「・・・・・・」
俺は白い溜息を吐きながら、頭上の電光表示板を見上げた。数字は13875.69
まだまだ大丈夫だが、分厚い雲に覆われて、その向こうの持ちなおしは見えない。
祐一「・・・安い」
俺は再び椅子に腰掛けて、頭上を見上げた。
視界が一瞬白いもやに覆われて、そしてすぐに現実に引き戻されていく。
懐を突き刺すような冬の景気。
そして、絶えることなく下がり続ける株価。
心なしか、新聞の株式欄を覆う▼の密度が濃くなったような気がする。
もう一度ため息混じりに見上げた電光表示板。
その視界を、ゆっくりと何かがさえぎる。
女の子「株、下がってるよ」
ぽつり、と呟くように白い息を吐き出す。
祐一「そりゃ、8ヶ月も下がりっぱなしだからな・・・」
平均株価だって下がる。
女の子「・・・あれ?」
俺の言葉に、女の子が不思議そうに小首を傾げる。
女の子「今、いくら?」
祐一「13875.69円」
女の子「わ・・・びっくり」
台詞とは裏腹に、全然驚いた様子もなかった。
どこか間延びした大納会の雰囲気と、とろんとした投資家たち。
女の子「まだ、一万五千円台だと思っていたよ」
ちなみにそれでも去年の終値より三千円の下落だ。
女の子「一つだけ、訊いていい?」
祐一「・・・ああ」
女の子「損してない?」
祐一「大損だ」
最初は買いのチャンスと思っていた下落も、今はただ鬱陶しかった。
女の子「これ、あげる」
そう言って、某倒産企業の株券(額縁付)を差し出す。
女の子「損をさせたお詫びだよ。それと・・・20世紀日本経済の記念」
祐一「85年以来の下落のお詫びが、紙切れ一枚か?」
差し出された株券を持ちながら、あらためて女の子の顔を見上げる。
素人が勝負するには危険すぎるほど冷え込んだ日本経済。
バブルで痺れたような金銭感覚の先に、その倒産株の哀愁が懐に堪えた。
女の子「85年以来・・・そっか、そんなに経つんだね」
祐一「ああ、そうだ」
紙切れと化した株券を大事そうに抱えながら・・・
もう勝利したと思っていた、子供の頃に見た日本の景色を重ね合わせながら・・・
女の子「去年の最終平均株価、まだ覚えてる?」
祐一「そう言うお前だって、今年の最高平均株価覚えてるか?」
女の子「うん」
東証の中で・・・
落胆に彩られた東証の中で・・・
この一年の株価変動を一息で埋めるように・・・
女の子「2万833円」
祐一「2不可思議」
女の子「違うよ〜」
祐一「3無量大数」
女の子「わたし、そんなに損させてない・・・」
困ったように眉を寄せる。
一言一言が、グルグル回る電光表示のように、懐具合の現状をわからせる。
女の子の肩越しに回る電光表示板は、さらに深刻さを増していた。
祐一「いい加減、この証券会社に期待するのも限界かもしれない」
女の子「わたしの首・・・」
祐一「そろそろ出ようか」
女の子「クビ・・・」
15年ぶりの安値で・・・
15年ぶりの損失に埋もれて・・・
祐一「来年も頼むぞ、名雪」
新しい取引が、冬の景気にさらされて、ゆっくりと流れていく。
名雪「あ・・・うんっ!」 (東京証券取引所、2000年大納会にて)

其の七
(抹消) 日本人ですから水に流して・・・(^^;

其の八
祐介「・・・降伏勧告に来たよ。」
その声に気づいた月島さんが、ゆっくりと視線を僕の方に向けた。
拓也「・・・お前が・・・平蜘蛛を・・・持っていくのか」
言いしれぬ恐怖が、僕の全身を駆け巡った。
拓也「帰れよ・・・平蜘蛛は・・・僕のものなんだ・・・」
チリチリチリチリ・・・
祐介「くっ!」
本丸に火花が飛び散る。
拓也「・・・この城も平蜘蛛も・・・木っ端微塵にしてやる」
膨大な量の火薬が詰まった平蜘蛛の茶釜、
下手をすれば、僕だけじゃなく、殿まで巻き添えをくってしまうほどの破壊的なエネルギー。
 だが、僕にはどうすることもできない。
拓也「・・・砕けてしまえ!」
ドガーーーンッ!!! (信貴山城 松永久秀、爆死の場面より)

其の九
香里「これは赤字覚悟するしかないわね。」
名雪「CDの売れ残り・・・」
祐一「*SDの方で大量に買ってから社内で配ったらどうだ?」
名雪「そんな恥ずかしい人いないよ。」
祐一「それもそうか。」(某プロダクションでの会話より)

其の十(三本立て)
浩之「早くしないと、焼きそばパンが売り切れちまうぞ!」
雅史「待ってよ、浩之〜。」
琴音「あの・・・」
浩之「え? 俺に用?」
琴音「そこのパン、危ないですよ。」
浩之「どういうことだ?」
琴音「賞味期限がペンで消してあるんです。」
浩之「そいつは怪しいな・・・」
雅史「浩之? キャラ変わってるよ・・・」

浩之「早くしないと、買い得株が売り切れちまうぞ!」
雅史「待ってよ、浩之〜。」
琴音「あの・・・」
浩之「え? 俺に用?」
琴音「そこの(鉄鋼)株、危ないですよ。」
浩之「え? ああ、どうも・・・」
ガクン!
(え!? 一斉売り注文!?)
浩之「うわぁーーー!」
ゴロゴロゴロゴロ
雅史「浩之!」

加藤「早くしないと、支持層がなくなっちまうぞ!」
山崎「待ってよ、紘一〜。」
野中「あの・・・」
加藤「え? 俺に用?」
野中「その行動、危ないですよ。」
加藤「え? ああ、どうも・・・」
ガクン!
(除名!?)
加藤「うわぁーーー!」
ゴロゴロゴロゴロ
山崎「紘一!」

其の十一
志保は選挙用紙に手早く日本共産党推薦の候補者名を書き込んでいく。
浩之「おいおい、それ共産党だろ。」
志保「違うわ、『資本主義者みたいな共産党』よ。」
浩之「それでも共産党だ!」
編集注:赤は安保闘争世代になってからです。(とある町の投票会場にて)

・・・国会議員は○由党でしょ。(某社CM)

其の十二
広報担当「ええっと・・・今回我が社は新たにソフトを制作して、痕という名前にするんですが・・・」
某俳優「痕?」
広報「はい、『きずあと』と読むことにします。」
俳優「『あと』はわかるけど、『きず』はどこにいってるんですか?」
広報「え? え、ええっと・・・このやまいだれのところ辺りに・・・」
俳優「苦しくないですか?」
広報「ええ・・・ちょっと・・・」
俳優「苦しいっすね。」
バンッ! 「LEAF」 (某社第一期CMより) ・・・これが一体何人に通用するだろうか。

其の十三
名雪「競走馬、競走馬〜」
祐一「ずっと飼っていると、破産するぞ」
名雪「わ、そうなの?」
祐一「だから俺が外交機密費を流用してやる」
名雪「あ、国民の税金・・・祐一、道徳悪いよ」
祐一「外貨預金に逃げている名雪に言われたくない」
名雪「私は余剰金を回しただけだよ。」
祐一「俺も省予算を回しただけだ。」
名雪「自分のを使ってよ・・・」
祐一「名雪も自分用に回せ」
名雪「私は自分ので買うよ・・・」
祐一「それもそうか」
秋子「たくさんありますから、おかわりしますか?」
祐一「予算がたくさんあるんですか?」
秋子「官房機密費ですけど」
外交機密費だけでなく、官房機密費までこちらに回すことができる秋子さんはすごいと思う。
ちなみに、現首相はインスタントらしい。(外務省、一秘書官の手記より)

其の十四
香里「相沢君、5000万は受け取っているの?」
祐一「訴追の恐れがあるから内緒だ。」
香里「だったら、私の捜査情報も内緒。」
祐一「何のことだ?」
香里「訴追の恐れがあるから内緒。」
祐一「しまった、(後で提出されると)偽証になるぞ。」
香里「訴追の恐れがあるから、内緒。」 (某の証人喚問前夜の記録より)

其の十五(2001/1/20)
冬弥「今の首相ってさ、やたら晴れ晴れとしている割には世間とかすごく冷たいよね」
由綺「そうだね。でも、だからって、マスコミと一緒に玩具にしたら駄目だよ」
冬弥「判ってるよ」
保守党の党首のような台詞。
由綺「聞いたんだけど、首相を支持しないのって一番危ないんだよ」
冬弥「え? そうなの? どうして?」
由綺「うん・・・。詳しくは判んないんだけど、内閣支持率が一番低い時って経済が悪化するんだって」
冬弥「え・・・?」
由綺「だから、できるだけ長持ちさせた方がいいんだって・・・」
冬弥「ま、待って待って。それ誰が言ってたの?」
由綺「亀井さん・・・だけど・・・?」
冬弥「静香さん?」
由綺「うん・・・」
またあの人は・・・。
由綺は素直に信じちゃうんだから、辞めてもらいたいな。
由綺「・・・でも統計でそうなってるって・・・違うの?」
冬弥「いや、違わないけどさ・・・」
そりゃあね。
ほとんどの人間は株が下がると読むから・・・
冬弥「でもさ、由綺。亀井さんに教えられたこと、あんまり素直に人に言うなよ。」
由綺「う、うん・・・?」 (「新人アイドル、政治を語る」より抜粋)

其の十六(失敗作)
理奈「ちょっと、兄さん!」
英二「うわあ!」 「うわあ!」
理奈「何も石原君まで・・・」
伸晃「つい・・・」
理奈「兄さん、マスコミ騒がせて自民党に入ったらそれで終わり!? 怠けないでよ!」
英二「そんなことないぞ。ちゃんとこうして党内から改革しようと・・・」
理奈「あんまり面白いこと言っていると、私も加藤・山崎派に面白いこと教えるわよ。」
面白いこと?
英二「理奈・・・! ああ! 俺から見てお前の意見書は・・・!」
何だったんだろう? 理奈ちゃんの面白いことって・・・ (日本兄弟列伝より抜粋)

ちなみに鳩山兄弟のことですから。…というところで大ミス! 兄弟逆さまやんけ!

其の十七(3/4)
今さら、13875.69円なんか、甘かったんだ。
甘かったんだ、そんなもの。
<どうして?>
景気低迷ってことは、そういうことなんだよ。
<わからないよ>
わからないさ。
だってずっと成長するままだったんだから・・・

株価は・・・
長い時間が経ったんだ。
いろいろな人が売り買いして、いろいろな政変に生きたんだ。
平均株価は正月スペシャルの頃から安くなったし、一万三千円台どころじゃなくなった。
現首相が消えていなくなるまでの何ヶ月かの間、それに抗うようにして、政治家はいろんな活動をする。
倒閣を夢見ては、失敗ばかりの派閥頭。
地位を失っても競走馬を失わなかった外務省の室長。
ただ一途に何かを待ち続けている野党。
証言なんかできなくても精一杯証人喚問の動きで有罪を伝える元参議院議長。
総理になろうと頑張り始めた元官房長官。
そして、それでも、ずっとそばにいてくれる政調会長。
駆け抜けるような2001年初頭の政変だった。
そしてぼくは、国債を発行したんだ。
<破綻に向かって進んでいるのに・・・?>
いや、だからこそなんだよ。
それを、知っていたからぼくはこんなにも悲しいんだよ。
破綻に向かうからこそ、国債はかけがえのない財源だってことを。

こんな政党政治なんて、もういらなかった。
だからこそ、あのときぼくは辞任を求めたはずだったんだ。
・・・オレは。 (ある元閣僚の独白より)

其の十八(3/24)
コンコン
家主「どなたですか?」
知事「わたくし、こういうものです。」(名刺を出す)
家主「田中康夫・・・?」
知事「議会にも国家権力にも屈せずに、知事室をガラス張りにする知事です。」
家主「はぁ? これは、無いということで・・・(折る)」
知事「11時です。」
ポーン
(1997年くらいの時のFM東京系列の時報より) 

其の十九(3/30)
南「なあ、折原。どうだ今日はノルウェー国王の答礼宴にいらっしゃらないか・・・?」
浩平「そうだな、次の総裁選の相談を兼ねてならいいぞ」
南「どうして天皇陛下と一国の王の前でお前の進退を相談しないといけないんだ」
浩平「遠慮するな。オレは全然構わないぞ」
南「ノルウェー国王が構う!」
浩平「・・・しかたない、じゃあお前との食事会はまた今度だな。オレも腰痛があるしな。」
南「どこで夕食を食べるんだ?」
浩平「若手議員と寿司屋」
南「・・・折原、もしかしてノルウェーのこと嫌いか?」
浩平「そんなことないぞ」
南「・・・そう・・・か・・・」
浩平「じゃあな」
何故か落ち込んでいる南をおいて、オレは若手議員の奢りで寿司屋に向かった。(ある総理の外交記録より)

其の二十(4/26)
健太郎「おい、スフィー、予備選は小泉の圧勝だぞ。」
スフィー「ふふ…顔を隠して体隠さず…」
健太郎「早く小泉を応援する意思を表明しないと…って、スフィー?」
スフィー「けっこう仮面のお姉さまがマントをひるがえして、亀井静香なんてはじきとばされたのよ!」
健太郎「おお、けっこう!!! …て、全然結構じゃねえぞ! 気分を害する!」
スフィー「衣服は据え置き。」
健太郎「当然だ! …けっこう仮面小泉、却下。」
スフィー「ええ〜」  (某総裁選対策事務所にて)

…ネタが三種ほど混ざっている。すみませんね、城主は元TOWNSユーザーだから…

其の二十一(5/10)
とある民放のインタビューにて…
英二「まあ、とにかく俺、組織票で固めた選挙ってのは、許せないわけだ。どんな大企業の団体だって」
冬弥「あ、俺もそうですね」
英二「なっ、だろ? お前なんか一時代前の人間だみたいな奴が、無理して保守的団体で固めていんの。
    党費がもったいないから住宅地でかしずれて、高枝切りバサミか何か持ってろって奴」
冬弥「は、はあ…」
いや、俺、そこまで言ってない…
英二「実際できるんだったら、脱派閥議員って組織票をかさに着てる議員の顔かたちまで
    デザインし直したいって思ってるぜ、絶対」
ひどい…
英二「いや、でもこれ、本気だぜ」
冬弥「本気なんですか…」
英二「実際にさ、議員選挙とかって、選ぶ側もまた目の利く政治通でなきゃ成り立たないって思うんだよな。
    でなきゃただの単勝ハイセイコーだ。
    思想対思想で議員候補が選挙に出ていくとなったら、こうなったらテイエム対ナリタだな。
    そう思わないか、青年?」
冬弥「え…? いや、俺、別に本命勝負にならなくたって…」
英二「そうかな。熱血的なんだな、藤井君は。
    まあ幸い、日本人は地方無学歴たたき上げが好きな人種だし、問題はないか。はははは」
何がそんなにおかしいのか、英二さんはしばらく笑う。
英二「とか言っても、俺もマスコミ扇動して選んでもらってる人間だけどな」
冬弥「そうなんですか…」  (「変人、選挙に向けて意気込みを語る」より抜粋)

其の二十二(6/3)
夕方のテレビニュースを見る野党議員…
香里「相変わらず、(官僚の)心臓に悪い人事をやっているわね…」
祐一「なんなら…今度国会で問いただしてみるといいぞ」
香里「私は遠慮しておくわ」
祐一「賢明な判断だ…」
名雪「…よく分からないけど、もしかして外務大臣の批判言ってる?」
祐一「全然そんなことないぞ」
香里「ええ、全然そんなことないわよ」
名雪「怪しいよ…」   (「政治道、一寸先は二億四千万の瞳」より抜粋)

其の二十三(7/4)
観鈴「道路特定財源ってなんの役に立つと思う?」
唐突に観鈴が切り出す。
というか、こいつは黙って政治の場に出られないタイプだ。
観鈴「家畜専用舗装道路とか、将来役に立つ?」
…家畜専用舗装道路ってなんだ。未知の公共道路だ。
観鈴「道路を補修するときなんて、足し予算、引き予算、できたらいいだけだし
   今の時代、丸投げ業者にでもならないと、使うことないよね」
往人「………」
観鈴「ね、往人さん」
カリカリ…
観鈴「道路特定じゃなくても、いいよねぇ」
往人「………」
観鈴「あれ? どうして返事ないのかな…往人さーん」
カリカリ…
観鈴「道路族、抜けられないのかな…わー! わー! わー!」
往人「………」
観鈴「往人さーん!」
目の前でぶんぶんと手を振られる。
それでも無視し続けていると、観鈴は答弁台を離れて、
俺の隣までやってくる。
往人(我慢…我慢…)
観鈴「往人さん、どうしちゃったのかな…
   その利権おいしい? 組織票をつりあげるの」
往人「………」
観鈴「国民を愚弄する議員には答弁させない」
ペンを運ぼうとした手を掴まれる。
往人「く…行政が立法を侵害するのかよっ!」
俺は我慢ならず、怒鳴っていた。
観鈴「だって、国民が求める答弁にならないんだもん…」
往人「議員の権利を侵害してんだよ、
    ひいてはこの国崎往人の人権に関わることなんだよ、気づけ」
観鈴「なぁんだ。ぜんぜん気づかなかった。にはは」
頭を掻く観鈴。
往人「………」
観鈴「ね、特定財源なんてなくていいよね」
…ぜんぜん聞いていない。
だが、ここで無視すれば、観鈴節が左右の耳をつんざき、
マスコミのいい笑い種になるのではないか。
往人「…そうだな」
俺はその展開が恐ろしくなり、そう答えてしまっていた。
観鈴「だよね」
往人「でもおまえは自民党議員なんだから、頑張らないとな」
観鈴「そうだね。族議員を廃絶できるようにがんばる」
往人「………族議員とはマスコミが勝手に作った言葉で…」
(「美女と野獣、永田町で一騎打ち」より抜粋)

ちょっと話題が混じり合いすぎて、非常に論点がつかみにくいです。
まあ、3つとも大した名言じゃないか。

其の二十四(8/2)
祐一「舞は…?」
佐祐理「大使館です…」
祐一「大使館…? あいつ、なにか…」
俺は言いかけて、思い出す。
祐一「公費流用の件か…」
佐祐理「………」
佐祐理さんも知っているのか、黙って頷いた。
祐一「しかしどうしてばれたんだろう…」
佐祐理「二度目なんです」
祐一「え?」
佐祐理「正確には三度目…いや、わからないです…だから、デンバーポストや特に公邸料理人からは
     ずっと目を付けられていて…こういうこと(内部告訴)があるとすぐ舞が呼び出されるんです」
確かに外務省にとってみれば、公費流用のようなことは日常茶飯事なのかもしれない。
佐祐理「でも、舞は決して否定をしないんです。ただ物忘れのフリを続けるだけ。
     そして下される命令に身を任せるだけ…」
祐一「前の時はどうなった…」
佐祐理「黙殺です」
その言葉を聞いて、俺は愕然とするよりも先に腹が立った。
あいつは…事務次官は一体なにをやっているんだ、と。
どのような額であっても黙って流されるがままにその罪科を見逃す。
その姿が嫌なほど容易に想像できてしまう。

(「デンバー伏魔殿の魔物を討つか!?」より抜粋)

其の二十五(8/28)
あゆ「はい、郵便局長たちの票の取りまとめ見積もり」
にこっと笑顔で俺の方に表を差し出す。
祐一「…俺自身でこれを受け取ったら、また共犯扱いになるだろ」
あゆ「大丈夫」
祐一「どうして?」
あゆ「3年以内の前職も現職も(辞職という点では)一緒だよ」
それはまぁ、一理あるかもしれない。
祐一「分かった、ありがたく貰うよ」
あゆ「うんっ」
元気よく頷いて俺に公約書を手渡す。
あゆ「やっぱり、選挙は組織票に限るよねっ」
祐一「そうだな…」
本当に幸せそうに族議員の国会進出を喜んでいる女の子。
祐一「……」
あゆ「う? どうしたの?」
祐一「いや、何でもない」
あゆ「あ、郵便局長50人じゃ足りなかったんだ。でもこれ以上はダメだよ、選管がうるさいからね」
祐一「いらないって」
あゆ「でも、どうしてもって言うのなら(条件の上積み次第で)もう一押しだけしてあげるよ」
俺の返事も聞かずに、郵政局総務部の名簿を俺に押しつける。
祐一「いや、だから…」
笑顔で俺の顔を見上げている女の子。
実際に交渉してみると、思っていた以上に貪欲な子だった。
あゆ「うぐ、(公職は)おいしいねぇ」
祐一「……そうだな」
まぁ、いいか…。
俺の直接の指示が出ているわけではないから連座制は適用されないだろうし…。(参議院議員の述懐より)

其の二十六(9/26)
待ち伏せていたのだろう。
全身を一色に染め抜かれた布で被い、顔も確認できない。
少女「…アメリカだけは、許さないから」
祐一「おまえのようなイスラム原理主義者に恨まれるような覚えはないぞ」
少女「あるのよ、こっちには」
どちらにしても、穏便に済みそうな状況ではなかった。
なにより少女の目は真剣で、冗談でそんなことを言っているのではないことがわかる。
少女「…ジハード!」
少女が固めた拳を前に押し、高度を一気に下げた。
唸りをあげたボーイングがビルにするどく入る瞬間、俺は目を閉じた。
祐一「残念だな。ビルを壊すことはできても、アメリカの土台は微塵も揺るがないぞ………」

其の二十七(10/6)
香里「今日は、仕入れはどうするの?」
すぐ後ろに追いついた俺の方を振り返ることもなく、声だけで問いかける。
祐一「ちょっと、行きたいところがあるんだ」
香里「怪しいところ?」
祐一「どこだよ、怪しいところって」
香里「(ある酪農家の名前)」
祐一「どのあたりが怪しいんだ…?」
香里「豚にやる肉骨粉が牛用飼料と混ぜて置いてあるのよ」
祐一「それは…確かに怪しいかもしれない」
香里「今度そこの背割りした牛の肉買ってくるから食べる?」
祐一「食わん!」
香里「でも武部大臣は気にせず食べろと言うけどね」
祐一「…あいつは」 (某肉小売業での会話より)

其の二十八(11/6)
佐祐理「今日の義勇兵デモは大きいから、歯が立ちそうもないですね、あれでは」
確かに都会に集まっているような集団とは、数倍ほど大きいように見える。
それを考えると、ますますパキスタン政府の行いが無謀に思えてくる。
佐祐理「この国は、政府とイスラム原理主義者との対立が見えないところで結構ありますから…政府側としては、こういうときに先に鎮圧しておきたいわけなんですよ。過激派にクーデターを起こされてしまっては形無しですからね。だから国境警備隊が駆り出されるんですよ、可哀想です」
パキスタン政府の板挟みのわけをそう教えてくれた。
祐一「確かに、そりゃ可哀想だ」

其の二十九(11/7)
祐一「じゃあ、俺はちょっとマスコミに叩かれに行ってくる」
香里「ちゃんと地方交付税を引き出すのよ」
祐一「国債発行額が30兆越えちまうな、きっと…」
香里「それで議席が守れるのなら安いものよ」
祐一「そうだな…」
支持者と同じ土地に住んでいるのだから、場合によっては俺の選挙区に毒物(交友関係の切れたのとか)の擁立もあり得る。
香里「がんばってね」
香里に見送られ、重たい足取りで記者会見場へ向かう。
名雪「…うそつき」
マスコミで溢れる会見場の中で、案の定名雪が拗ねていた。
名雪「…ひどいよ、祐一」
祐一「色々と複雑な事情(不況)があったんだ」
名雪「私、国債発行額を抑えるから支持したんだよ」
祐一「国民に道路を造ると約束してしまった以上、道路はきっちり作らないといけないんだ」
名雪「だって、国債発行額も30兆円以下って約束したから…総理は約束を破ったりしないもん。理屈が空論になることはあってもね」
祐一「…わかった、俺が御都合主義の二枚舌だったよ」
それは事実だから、素直に謝っておく。  (某幹部の記者会見より)

其の三十(12/25)
長森「浩平、装甲薄いのに接舷すると、危ないよ!」
浩平「そうそう、何度も逃がすものか」
声「きゃ!」
浩平「…え?」
ズドーーーーーーーンッ!!
ロケット砲の発射音と自動小銃の連射音。
しかしオレも二度と同じ轍は踏まない。
操舵室に百発たたき込まれる寸前に、20mm機関砲弾を相手の船体に叩き入れておいた。
すぐには立ち直れないだろう。
浩平「よし、接舷するか。長森、手伝ってくれ」
長森「なにを?」
浩平「船員を捕縛する」
ドガーンッ!!
浩平「やっぱいい。その必要なしだ」
追っていた船が爆発し、あっという間に横倒しになって沈んでいった。
長森「七瀬さん、大丈夫…?」
七瀬「はあぁっ…あんた、ちゃんと負傷者二名と目標の沈没を第10管区保安本部に連絡しておいてくれる?」
長森「うん、わかったよ」
浩平「負傷者なのか、おまえは」
七瀬「…って、時間っ!!」
長森「わぁっ! フタフタヒトサン(22時13分)、該船沈没だよっ!」
………
茜「…フタフタマルキュウ(22時9分)、正当防衛射撃、フタフタヒトサン、該船沈没です」
マスコミ「沈没っ!?(゚Д゚;)」
茜「該船沈没です」

ちょっと強引だったか…

其の三十一(2002/3/7)
祐一「それで問題はどうやって公募するかだけど…」
あゆ「根室管内に限定、なんてどうかな?」
祐一「それは、もっと私利的な事業の時に出す条件だ」
あゆ「そうなんだ…」
感心したようにうんうんと首を振る。
祐一「ちゃんと公共の支援事業だとわかってるか? 道東ということではどうだ」
あゆ「ううん、それはやはり根室管内だよっ」
祐一「…」
さい先がとても不安だったが、はしけとして送った船もあることだ。(丸秘無期限文書より)

其の三十二(三河武士復帰スペシャル)(5/1)
『朝〜、朝だよ〜』
『朝ご飯食べて国会に行くよ〜』
祐一「国会じゃないだろ、今日は…」
目覚ましを止めて、カーテンを開け放つ。
業者から差し込れられた白い切り餅が、議員会館の中に暖かな温床を作っていた。
祐一「いい居心地だ」
老後の蓄えには、最高の職場だった。
心なしか、今日はいつもより量が多い気がする。
俺は、服を着替えて部屋を出た。
あゆ「わっ」
廊下に出ると、驚いたような表情のあゆと顔を合わせた。
あゆ「急に検察が出てきたからびっくりだよ」
胸に手をあてて、驚いたような表情で俺の方を見ている。
祐一「驚いたのはこっちだ。大体、なんでこんなところに、未だにあゆがいるんだ?」
あゆ「往生際が悪いよね」
祐一「秘書が逮捕されて、無実も何もないと思うが…」
あゆ「気にしたらダメだよ」
祐一「…それで、本当に何やってるんだ?」
あゆ「祐一君、おかしなこと言ってるよ」
あゆが首を傾げる。
あゆ「ボクだって、この衆議院の議員なんだから、いるのは当たり前だよ」
祐一「そっか…それもそうだな」
あゆ「うんっ」
そう。
あゆが無所属になってから、もうひと月になる。
あゆ「今日はね、実は秋子さんに支持基盤の作り方を教わるんだよ」
祐一「(再選なんて望むべくもないのに)秋子さんもムダなことを…」
あゆ「うぐぅ…そんなことないもんっ」
祐一「だいたい、あゆの作る基盤はどうせまた公共事業絡みだろ?」
あゆ「あれは、十九年も前のことだよ」
祐一「今だって、何も変わってないじゃないか」
あゆ「それは、(中川氏の)秘書としての人脈しかしらなかったからだよ。今日は、ちゃんと秋子さんに教わるもん」
祐一「自民党に迷惑だけはかけるなよ」
あゆ「無所属だから大丈夫だもん」
無邪気な笑顔が、何故か悲しかった。
どうして悲しいと感じたのか、俺には分からなかった。
あゆ「もちろん、後押ししてくれるよね?」
祐一「絶対に嫌だ」
あゆ「うぐぅ…そんなにはっきり言わないでよ…」
祐一「俺はまだ(議員として)死にたくないからな」
あゆ「どういう意味だよっ」
祐一「北方領土はロシア領じゃない」
あゆ「今日のお金は、ひと山違うよ」
札束がひと山だけ増えたところで、味方する意義がどうなるとも思えないが…
祐一「そうだな、とりあえず答弁がうまそうにできたら、考えてやってもいい」
あゆ「ホント?」
祐一「ああ、ホントだ」
あゆ「うんっ、ボクがんばるよ。だから…ボクの復党、楽しみにしててね」
真っ白に染まる風景…。
あゆの元気な声も、遠くに聞こえて、やがて届かなくなる…。
暖かな支援者が、冷たい糾弾の主に変わって…
そして、目が覚めた。

祐一「…俺は、まだこの場所にいるんだな」(新党結成物語より抜粋)

其の三十三(9/23)
名雪「いこ、祐一」
促す名雪と、一緒に国連本部を出る。
祐一「朝鮮に核兵器がないのは致命的だからな」
名雪「祐一も核持ったらいいのに」
祐一「どうも、核兵器は苦手なんだ」
名雪「どうして?」
祐一「いつも強国に狙われているような気がするから」
名雪「そっか」
祐一「別に、狙われたって、実際の危険が変わるわけじゃないのにな」
とりあえず、鞄を持って停車場に立つ。
祐一「空港まで一緒に行くか」
名雪「うん」
同じように鞄を抱えた名雪と一緒に、国連本部を出る。
………
名雪「それでは、(査察に)行ってくるよ」
祐一「気をつけてな」
名雪「大丈夫だよ。イラクの設備を見てくるだけだから」
祐一「査察するのはいいけど、(勝手に危機感感じて)核兵器をこれ以上作るなよ」
名雪「どうして?」
祐一「これ以上増えたって、意味ないだろ?」
意味ないどころか、迷惑なだけだ。
名雪「うー」
祐一「じゃあな、名雪」
名雪「…うん」
手を降る名雪と空港の前で別れて、それぞれ別の方向に向かう。
………
大使館でテレビを見ていると、名雪が帰ってきた。
名雪「ただいま…あ、祐一」
ロビーの扉を開けた名雪は、分厚い書類を抱えていた。
祐一「……」
名雪「あ。わたし、中間選挙の対策しないと…」
そのまま、そそくさとロビーを出ていく。
祐一「また軍事攻撃をするための法案だな…」
ため息をついてから、俺は株価に集中した。(「侵略じゃないよ、制裁だよ」より抜粋)

冒頭部分が一部省略されているため、なんだかよくわからないかもしれませんが、お気になさらずに。

其の三十四(10/28)
朝日交渉も二週間が経過して、すでに知らない顔の交渉相手はいなくなっていた。
それに伴い、何となく日本の官僚の傾向も分かってくる。
例えば、この田中とかいう官僚は真相究明よりも両国の関係を改善する方を優先しているとか…
祐一(……)
ふと前を向くと、名雪が交渉の内容を一生懸命書き写していた。
名雪「…どうしたの?」
祐一「…いや、手詰まりだったから」
名雪「…手詰まりだったら、他の拉致した人の安否を発表した方がいいと思うよ」
祐一「あとで拉致問題は解決したと言うから大丈夫だ」
名雪「わ。…祐一、ずるいよ」
祐一「独裁国家の知恵だ」
名雪「…五人をそっちに帰さないよ」
祐一「そっちの方がずるいと思うけど」
名雪「頑張って飢饉を解決してね、祐一」
祐一「子供たちを被害者家族に会わせればいいんだな、よし分かった」
名雪「実は、80人拉致したという証言もあるんだよ」
祐一「……」
名雪「(被害者全員の解放は)約束だよ」
嬉しそうに念を押して、鄭大使の方を向く。
そして、再びノートにシャーペンを走らせる。(「そういうことする国、嫌いです」より抜粋)

其の三十五(2003/1/29)
野郎ども「お嬢、一同は来年も、ここでお待ちしておりやす」
佐祐理「あははーっ、来年は来るつもりないんですけど…」
名残惜しそうな労働党幹部を置いて、俺たちは万景峰号で引き上げることになった。

佐祐理「あははーっ、一人で面白がっちゃってすいません」
祐一「いや、楽しかったよ、十分。見ただろ? 連中の将軍様への忠誠心。俺は誇らしかったよ」
佐祐理「違いますよ。正日さんが少しばかり映画に詳しかったからだけです」
祐一「違うよ。将軍様が魅力的だからだよ」
佐祐理「そんなことないです。正日さんは普通の子よりちょっと頭の悪い、ただの血統種ですから」
祐一「佐祐理さんが将軍様のことを何て言おうが、俺は将軍様、大好きだからな」
佐祐理「あはは…佐祐理も正日さんのこと、大好きですよ」
祐一「本当か?」
佐祐理「本当ですよ、佐祐理は北朝鮮のこと、(ネタとして)大好きですよ」
祐一「じゃあ、偉大なる将軍様と呼んでくれよ」
佐祐理「はぇー…それはダメです」
祐一「どうしても?」
佐祐理「ええ…すみません」
祐一「いや、謝ることはないけどさ…。でも、そうやって拉致のことをずっと引きずってさ…よくないと思うんだよ。清算してもらえないかな、戦時中のこと」
佐祐理「強制連行には…出稼ぎ労働者しかいなかったんです。拉致には、何の正当性もないじゃないですか」
言って、微笑む。
佐祐理「大丈夫ですよ、私の国は」(「国民総コント計画」より抜粋)

其の三十六(1/31)
祐一「例えばだ、もしこいつが『民主主義共和国』なんて名前だったらどうする?」
あゆ「お隣の国みたいに?」
祐一「まず、詐欺だな」
あゆ「うぐぅ…どうして〜」
祐一「名前のイメージが違いすぎる」
あゆ「うぐぅ…」
名雪「でも、わたしもあの国はやっぱり独裁主義共和国の方が似合っていると思うよ」
あゆ「うぐぅ…そうかな?」
祐一「独裁主義って聞くと、野心的で元気で食い意地が張ってて口癖が『将軍様万歳!』って気がするもんな」
あゆ「うぐぅ…祐一君、いじわる〜」
祐一「俺じゃないって、世間一般の認識だ」
あゆ「中東では将軍様万歳なんていわないもんっ」(「暈すなれど、暈しきれず」より抜粋)

其の三十七(7/18)
名雪「亡くなった方には、本当にご冥福を祈ってるよ」
祐一「そう思うんだったら、5分でいいから韓国の船会社への不快感を示せ」
名雪「そうだね」
名雪が自嘲気味に微笑む。
祐一「あと、あの音声が途切れた報道…」
名雪「途中で音声が途絶えた、水産庁取締船衝突のニュース?」
祐一「メッセージ、放送しなおしてもいいか?」
名雪「わ。ダメだよ」
祐一「どうして?」
名雪「苦労したから」
祐一「苦労…って、ベタ記事扱いのニュースじゃないか」
時間にして、三分もなかった。
名雪「それでも、凄く苦労したんだよ。わたし…左翼とか朝鮮総連とか苦手だから…」
祐一「まぁ、別にいいけどな…」
あれほどの大惨事になりながら、続報が出たことが一度もないのが、今でも不思議だった。(「マスコミ腐敗列島」より抜粋)

其の三十八(11/9)
名雪「あ」
選挙速報を見た名雪が、小さく声を上げて立ち止まる。
祐一「…どうした?」
名雪「伸び、止まってる」
祐一「…何の?」
名雪「自民党の議席数」
祐一「(最初からそんなものなかった気もするが、)さっき、今回はまだ投票率が低いから、自民党政権は磐石だもん…って言ってるときに見ていた調査結果か?」
名雪「だもん、とは言ってないけど…」
祐一「もしかして、宗教票を繋ぎ止めないとやばいんじゃないか?」
名雪「かも」
祐一「……」
名雪「……」
一度頷き合って、そして同時に電話を始める。
祐一「やっぱり公明党頼みか…」
名雪「旧社会党を抱えるよりはいいよ」
祐一「だといいけど…」
名雪「あ、公明党には当選者がたくさんいるよ」
祐一「どうやら安定多数は確保できたみたいだな」(「三党夢想 謀将伝」より抜粋)

其の三十九(追悼版)(12/1)
祐一「……」
ぽつんと取り残された形になった俺は、竹林の名前を求めて、スタッフロールに目を這わせる。
祐一「……」
別の名前はすぐ見つかった。
三○章介
彼とは違う名前。
そして、他のほとんどがあまり知らない名前だった。
祐一「……」
一喜一憂するプレイヤーの声を聞きながら、俺はロールをただじっと見ていた。
祐一「……」
文字の羅列を眺めながら、ほとんど無意識に青紫でも探している自分の姿に気づく。
あるはずのない名前。
それでも、微かな奇跡を信じて…。
この一瞬でも、そんな希望にすがりたかった。
脚本から、CG、
祐一「……」
そしてスペシャルサンクスまで…
全ての名前。
全ての文字。
『お前が感じている感情は精神的疾患の一種だ。』
頭に残る脚本。本当に頭に残る脚本の言葉。
スキャンダルに晒され、批判を受け入れ、そして、去った男。
祐一「…いい製作環境と期間さえあれば…名誉を回復することもできたろうにな…」
ゆっくりと、時間が凍り付いていた…。
決して戻ることのない瞬間、
新しい開発室で、
新しい市で、
新しい風潮の中で、
いつか、もう一度あのスタッフが動き出すその時まで…。
祐一「今は、まだ…」 (「黄昏に去った者の手記」より)

其の四十(12/20)
テレビで復興事業参加国の限定したニュースを見て、完全に興醒めしたところでテーブルへ。
秋子「おはようございます、祐一さん」
秋子さんが、まるでこの時期に派兵することを知っていたかのように、微笑む。
祐一「おはようございます。いつも(対応が)早いですね」
秋子「祐一さんも早いですよ」
会談の椅子に座る俺の目の前で、秋子さんが美味しそうな石油を本土へ運ぶ指示を出す。
あゆ「秋子さん、ボクにもっ」
秋子「はいはい」
祐一「ドイツ、(NATO経由で)誘わなくていいですよね」
秋子「誘っても、きっと派兵しないと思いますよ」
あゆ「うぐぅ、この地域危ない…」
秋子「そう言えば、掃討がまだだったわね。ちょっと待ってね、今一個連隊入れるから」
祐一「フセインの奴は?」
秋子「今日もまだ(大量破壊兵器について)自白なさらないみたいですね」
あゆ「うぐぅ、ボクの部隊がピリピリしてるよ〜」
祐一「後で頃合を見て、適当に国民向けの演説をしておきますよ」
秋子「お願いしますね」
あゆ「掃討してもまだテロが来るよ〜」
祐一「できれば今年中に派遣します」
用意されたシナリオに、乗る。
そして、黙々と人道支援をする。
祐一「ごちそうさまでした」
あゆ「ボクもごちそうさまでした」 (「あの凡庸な男の強大な力を見よ」より)

其の四十一(2004/1/15)
祐一「一体、何なんだ、あいつらは。何が目的で、こんなとこにいるんだ」
天野「彼らは、ただ本当に出稼ぎに来ていただけでしょう。それ以外に理由はないはずです」
祐一「出稼ぎって…それでどうしたかったんだよ」
天野「出稼ぎにきただけです」
天野は繰り返した。
天野「今、相沢さんは、束の間で終わっていない『敗戦国』の中に居るんですよ」
祐一「敗戦国…」
確かにそれぐらいの言葉を持ち出してこないと、見合わないような状況だ。
天野「そしてその敗戦とは、(本来)一瞬の恥です。戦勝国の将兵が、自らの命と引き換えとして押し付けた、わずかな恥です。それを知っていて下さい。」
祐一「それは…あいつらが、自分の命を捨てることなく、不当にこの国の駅前の土地を占拠した奴だということか」
天野「私はそう思います」
祐一「なんなんだよ、それって…」 (「無題 極東の巷説」より)

其の四十二(3/21)
女生徒「わかった。けど、ヘマだけはしないでね。盧武鉉さんはあたしたちのアイドルなんだからね。その身を自分だけのものと思ってもらっちゃ困るわよ」
佐祐理「そんなことないですよぅ。盧武鉉さんは普通の子よりちょっと口が軽い、ただの弁護士ですから」
女生徒「罪刑法定主義は関係ないわ。ようは、意欲でしょ?」
佐祐理「ええ、意欲は人一倍ありますけどね。政権のためですから」
女生徒「なら、結構」
女生徒は満足げに微笑んでみせた後、佐祐理さんの肩にぽんと手をかけた。
女生徒「大統領生活ももう残り少ないわ。最後に何か、でかい法律を通したい。そう思うでしょ」
佐祐理「あははーっ、財閥工作なら率先して参加したいですけどねぇ」
女生徒「いい支持基盤になるわ」
佐祐理さんが返事を曖昧にさせているうちに、女生徒は平然と親日反民族特別法案という事後法を提出した。
結局日本へは視線を投げかけただけで、声ひとつかけずじまいだった。

祐一「ありゃ、なんだったんだい」
国内初の大統領弾劾審理が始まってから、俺は訊いてみた。
佐祐理「なんだったんでしょうね」
佐祐理さん自身、回答が見つからないようだった。 (本当に行われている怖い話 「事後法の恐怖」より)

其の四十三(5/23)
あゆ「…あ」
廊下に出たところで、ちょうど政府専用機から降りてきたあゆと顔を合わせる。
あゆ「…祐一君」
祐一「今起きたところか?」
あゆ「…うん」
祐一「だったら…おはよう、あゆ」
あゆ「あ…うん…。おはよう、祐一君」
祐一「大丈夫だって、共産と社民も評価するって言ってたから」
あゆ「………………」
祐一「これも、あゆがずっと拉致問題に取り組んでくれたおかげだって…平沢さんも、感謝してたよ」
あゆ「…でも…ボク、途中で譲歩しちゃったよ…」
祐一「ひとりでがんばったんだから、それくらい仕方ないって」
あゆ「…それに、ボク、ジェンキンスさん連れて帰るつもりだったのに…」
5人しか連れて帰れなかったことが、あゆにとっては負い目になっているようだった。
祐一「…成果はあったんじゃないか?」
あゆ「…え?」
祐一「俺なんか、今まであの国には冷や飯しか食わされてなかったからな」
あゆ「…祐一君、ボクの訪朝評価してくれるの?」
上目遣いに、あゆが俺の顔を窺う。
あゆ「……」
祐一「…うまかったぞ、経済制裁はやりづらくなったけど」
あゆ「…ほんと?」
あゆの表情が、ぱっと明るくなる。
祐一「今までの政権に比べたら、遥かにましだった」
あゆ「…よかったぁ」
下を向いて、小さく声を漏らす。
祐一「でも、人道支援のタイミングは最悪だったな」
あゆ「…うぐぅ…今回は家族が帰れたらいいもん」
祐一「本当にその通りだ」 (「その選択は最悪であったか?」より抜粋)

其の四十四(反Warez特別編)(7/16)
真っ当な意見と見せかけ、実は詭弁で論点をはぐらかす輩が多々おります。
皆様も以下の「詭弁の特徴15条」を覚え、そういう輩を排除しましょう。

例:「Warezは取締まるべきか」という議論をしている場合、あなたが
「Warezは有害で徹底的に取締るべきだ」と言ったのに対して擁護派が…

1:事実に対して仮定を持ち出す
   「もし貧困層の人はWarezでしかソフトを入手できていないとしたらどうだろう?」
2:ごくまれな反例をとりあげる
   「自由にコピーしてもらって、自分の曲を広めたいとするアーティストもいる」
3:自分に有利な将来像を予想する
   「今後Warez無しでは社会が成り立たなくなる可能性だって十分にある」
4:主観で決め付ける
   「知的財産は自由に複製できるのが理想だ」
5:資料を示さず自論が支持されていると思わせる
   「多くの人は、Warezは必要悪だと認めているじゃないか」
6:一見関係ありそうで関係ない話を始める
   「ところで、WarezだってDLするだけなら逮捕されないのを知っているか?」
7:陰謀であると力説する
   「それは、著作権で食えなくなるのが怖い、落ち目なクリエイターや音楽業界が役人にすがり付いて起こしている策謀だ」
8:知能障害を起こす
   「じゃあ、お前が知的財産的価値ってものがある商品を作ってみろよ!」
9:自分の見解を述べずに人格批判をする
   「著作権は保護されるべきなんて言う奴は、社会を知らない証拠。現実を見てみろよ」
10:ありえない解決策を図る
   「結局、全てのソフトウェアを官給制にすればいいってことだね」
11:レッテル貼りをする
   「Warezは悪なんて言う奴は、自分に技術がないから他人を妬んでいるだけの厨房だね」   
12:決着した話を経緯を無視して蒸し返す
   「ところで、どこにWarezの違法性があるっていうんだ?」
13:勝利宣言をする
   「Warezは既に社会に受け入れられているんだから、いい加減そんな前時代的な議論やめろよ」
14:細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
   「Winnyに流れているファイルにも、製作者が自分で公開しているファイルがあるんだよ、そんなことも知らないのか」
15:新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
   「Warezの有益性は、それがもたらす害より遥かに大きい」

其の四十五(参院選特別編)(2007/7/31)
ヤバイ。女性党と9条ネットヤバイ。まじでヤバイよ。マジヤバイ。
女性党ヤバイ。
まず比例候補者が多い。もう泡沫政党なんてもんじゃない。超多い。
9条ネットとかいっても、
「この選挙区は野党が強いから候補者一人に絞って……」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ比例に9人。スゲェ! なんか費用節減とか無いの。何票とか何議席とか超越してる。
だって普通は弱小政党とか無駄に立候補しないじゃん。
だって供託金や選挙費用がだんだん伸びてったら困るじゃん。
維新政党・新風の選挙費用がウン千万円だとか困るっしょ。
だから新党日本とか比例が3人。話のわかるヤツだ。
けど女性党とか9条ネットはヤバイ。そんなの気にしない。立候補しまくり。
候補者ごとの主張の違いとか比べてもよくわかんないくらい多い。ヤバすぎ。
立候補しまくりっていったけど、党の資金は有限かもしれない。
でも有限ってことにすると、
「じゃあ、連中の資金源ってなによ?」
って事になるし、それはどこのマスコミも指摘しない。
ヤバい。誰にも分からないなんて凄すぎる。
うちらなんて比例区候補の供託金分600万円とか家計簿に出てきただけで上手く扱えないから、
ローンを組んだり、融資を受けたりするのに、女性党や9条ネットは全然平気。
没収確実の供託金を惜しげもなく出してる。凄い。ヤバい。
とにかく貴様ら、泡沫左翼政党のヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバい参議院選挙に一人で出て行った又吉イエスとか超偉い。
もっとがんばれ。超頑張れ。

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